Google Map のスケール印刷(縮尺を指定して印刷)
※2017/5/22より、この記事の通りの動作は出来なくなってます!!
関連記事< http://miztobi.hatenablog.com/entry/2017/05/26/153737 >
<今回は、ゲームとは全く関係のない情報なんですが、建築をやる上でちょっとしたTipsを見つけたので備忘録として書きます>
建築の敷地模型を作る際に、GoogleMapの航空写真を使うことがあると思いますが、GoogleMapって指定した縮尺で印刷できないんですよね。
どうにか正確な縮尺で印刷できないか。
…と考えた瞬間に天才な俺は思いつきました。
『SketchUpのジオロケーションがあるじゃないか!』
(建築業界で当たり前だったら恥ずかしいなw でもネットになかったので書きます)
SketchUpはGoogle社が開発した(?)無料のモデリングツールですが、建築パースにも使われたりします(レンダリングはちゃっちく、SketchUpで出したパースに、フォトショで加工してやっと半人前って感じです)。
SketchUpには有料のPro版と無料のMake版がありますが、今回やることはMake版で十分可能です。
↓ダウンロードはこちらから↓
*筆者のバージョンは Make'15 です。
*筆者はMacを使っているため、Windowsとは見た目が違います。
で、使い方なんですが…
0. もし住所を知らない場合、先にブラウザでGoogleMapを開き、目標の場所の住所をコピーしておきます。(あとで修正できるので大体の位置で大丈夫です)
⒈ まず、SketchUpを開いてください。
「テンプレートを選択」とか出ると思いますが、建築で使うなら「建築デザイン ミリメートル」が使いやすいと思います。(スケール印刷だけするなら、どのテンプレートでも大丈夫です)
⒉ 「使い始める」をおすと、おっさんが出てきます。
このおっさんは等身大です。(先に消してもいいんですが、スケール確認のため置いておきます)
⒊ 「ファイル」→「ジオロケーション」→「場所を追加…」
⒋ 住所を入力し「地域を選択」→「グラブ」
⒌ すると…
3D空間に”実寸大”で表示されます。
等身大のおっさんと、地図に写ってる近くの車などで比較してみてください。
スケールの確認できれば、おっさんは削除!
⒍ 印刷の前にカメラの設定
【重要!!】印刷の前に、絶対に2つのことをしてください!!
- 投影法を、「平行投影」に!(デフォルトでは遠近法です)
- 「標準ビュー」→「上」に!
まず、平行投影にしないとスケール印刷ができません。
で、真上から取らないと縦横比に歪みが生じます。
なので、この手順は絶対に踏んでください!!
⒎ やっと印刷
印刷する前に設定しないといけないのは、
- 用紙サイズ
- 印刷範囲
- 印刷スケール
の3つです。
用紙サイズは「ファイル」→「ページ設定」とプリンタの設定(Windowsの場合はプリンタの詳細設定(多分…)、Macの場合は「ファイル」→「印刷」で設定できます)の二カ所で設定。
印刷範囲は画面に表示されているエリア(+誤差)です。
・印刷したい範囲の左上を、画面の左上に合わせて(Shiftキー+マウスホイールでドラッグ)、ウィンドウの大きさごと変える。もしくはマウスのスクロールで拡大して範囲を決めてください。このときにカメラの角度が動いてしまっても、標準ビューで合わせ直せば大丈夫です。
印刷スケールは「ファイル」→「ドキュメント設定」です。これについては下記ページを参考にしてください。
スケール印刷する | SketchUp Knowledge Base
以上でGoogleMapのスケール印刷は終わりになります。お疲れさまでした。
*Windowsの説明は、記憶を頼りにしてたので、間違い・修正等あれば、遠慮なくおしらせください。
以下にマップの追加と削除、起伏の追加を続けて書きます。
難しくないのでちゃちゃっと書きますね。
マップの追加
「ファイル」→「ジオロケーション」→「その他の画像を追加…」
あとは一回目と同じやり方です。
こんな感じに自動で重ね合わせて追加されます。
マップの削除
全削除する場合は「ファイル」→「ジオロケーション」→「場所のクリア」
選択して削除したい場合は、削除したいマップを選択して「右クリック」→「ロックを解除」→もう一度「右クリック」→「削除」で消せます。
起伏の追加
GoogleEarthの起伏のデータを追加するという難しそうな処理も難なくしてくれます。
「ファイル」→「ジオロケーション」→「地形を表示」
こんな感じになります。
起伏が見えるのはかなり便利だと思います。この土地からこの角度に山があるから…みたいな使い方もできそうですね。
SketchUpに標準搭載されてる機能は必要最小限のものですが、RubyのAPIが公開されていて、プラグインを気軽に作ることができます。もちろん、プログラミングの勉強をすることになるんですが、Rubyはプログラミング言語の中で非常に馴染みやすく、扱いやすい言語です。近年ではクラウドサービスの作成に使われることも多く、習得の価値はあると思います。
ぶっちゃけそんなことしなくても、プログラミングを易々とできる人が作ったプラグインが多数公開されています(英語のものが多いですがそれも勉強です)ので、ウイルス対策すれば導入できます。
*ここから下は、自分への言い聞かせと、俺のような意識の高い建築学生へのアドバイスです。また、未来の模型の話もしていますので興味があれば是非。
でまぁ、ずっとマップの縮尺の話をしてきたわけですが…
なんでこんなにも、模型で厳密に縮尺を気にするのか。
建築模型というものは、縮尺が非常に大事なものでして、「大体あってるからこれぐらいでいっか」っというわけにはいかないんです。
たとえば、1/200の建物の模型を作る際に、1mmのミスができてしまったとしましょう。
模型上では1mmでも、実際立つ建物は200倍なわけですから、たった1mmの手先のブレでも、それが20cmのズレになるんです。
20cmはおおよそ階段1段分です。
それを施主さんに見せて「こんな建物を考えてます!」なんて言えないですよね。
たとえ他人に見せない模型でも、天井高2,400mmのものが2,200mmになってしまうので、見える印象は全然違うものになります。
だから、土地のスケールが1%ズレたら1mmどころの差では収まらないでしょうし、上物は正しい縮尺で作るでしょうから、食い違いが起こったり、見たときの印象は大きく変わってきます。
(仕事を知らない学生が偉そうなこと言ってすいません)
そんなこんなで、今回はこんな記事を真面目に書きました。
ところで!!
VRやARが実現的になってきた今日では、建築模型に必要性があるとおもいますか?
数週間前の話ですが、Microsoft社のHoloLensには驚愕しました。
(下の動画はゲームの宣伝ではありません。プレイヤーと撮影カメラにHololensをセットして撮っているだけです。Hololensのデモにマインクラフトを使ってるだけです)
これがあれば、モデルはデータだから事務所の模型もかさばらないし、スケールも自由自在、建築の中にも入れるし、模型の存在意義がないんじゃないか?と個人的に思ってます。
というわけで、建築設計関係の人も、VR,AR,にアンテナを張り、学生の人ならなおさら、CADのみならず3Dモデリング技術やレンダリング、それこそUnrealEngine4のリアルタイムレンダリングを勉強しましょう。
俺もまだまだ勉強中です。がんばりましょう。
最後まで読んでくれてありがとう。
んじゃまたノㇱ